大腿骨骨頭壊死で障害年金を請求するポイント

大腿骨骨頭壊死により人工関節となった方や、立つことや歩行が著しく困難になっている場合は、障害年金の対象です。

ここでは、大腿骨骨頭壊死により障害年金を請求する場合のポイントや注意点を解説します。

大腿骨骨頭壊死で人工骨頭や人工関節となった場合の障害認定基準

大腿骨骨頭壊死で人工骨頭や人工関節となった場合の障害認定基準は、次のようにされています。

等級 障害の程度
2級
  1. 一下肢の3大関節中1関節以上に人工骨頭又は人工関節をそう入置換してもなお、一下肢の3大関節中いずれか2関節以上の関節が次のいずれかに該当する場合
    • 不良肢位で強直しているもの
    • 関節の他動可動域が、健側の他動可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの
    • 筋力が著減又は消失しているもの
  2. 両下肢の3大関節中1関節以上にそれぞれ人工骨頭又は人工関節をそう入置換してもなお、両下肢の3大関節中それぞれ1関節の他動可動域が、健側の他動可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減している場合
3級 一下肢の3大関節中1関節以上に人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものや両下肢の3大関節中1関節以上にそれぞれ人工骨頭又は人工関節をそう入置換したもの。

障害年金の初診日は

大腿骨骨頭壊死となった原因として、ステロイド剤の大量投与によるものや、アルコールを大量摂取したことが原因となって発症することが多くあるとされています。

アルコールを大量摂取したことが原因の場合、障害年金を請求する初診日は、股関節あたりに痛みを感じ、それにより初めて医師の診察を受けた日が初診日となってきます。

ステロイド剤の大量投与による場合で、ステロイド剤の大量投与と大腿骨骨頭壊死との間に因果関係が認められた場合(ステロイド剤による副作用が明らかな場合)には、痛みを感じて初めて医師の診療を受けた日とされるのではなく、ステロイド剤が投与されるようになった原因となる病気(例えば、白血病、全身性エリテマトーデスや膠原病)の初診日が障害年金を請求する場合の初診日とされています。

障害認定日は人工骨頭や人工関節を入れた日になります

大腿骨骨頭壊死で人工骨頭や人工関節の場合、障害認定日にも注意する必要があります。

通常、障害認定日は初診日から1年6カ月経過後となっていますが、人工骨頭や人工関節をそう入置換したものについては、障害認定日は「そう入置換した日」となります。(ただし、1年6か月経過後に人工骨頭や人工関節となった場合は、障害認定日は原則通り1年6カ月経過時点となります。)

初診日から1年6ヶ月経過前に人工骨頭や人工関節となった

すぐに障害年金の請求ができます。請求せずに相当期間が経っていても、障害認定日時点の診断書を取得できれば、その時に遡って請求することができます。

初診日から1年6ヶ月経過後に人工骨頭や人工関節となった

原則通り、初診日から1年6ヶ月経過した日が障害認定日となります。

1年6ヶ月時点で日常生活に著しい支障がない場合には、障害認定日では障害等級には該当しません。

人工骨頭や人工関節となった時から障害年金を受給できます。しかし、人工骨頭や人工関節となっても障害年金を請求していなかった場合には、そう入置換した日まで遡って支給されることはありません。このため、初診日から1年6ヶ月経過後に人工骨頭や人工関節となった場合には、すぐに障害年金を請求する必要があります。

障害年金の請求で必要な書類(初診日の証明)

障害年金は、「初診日」時点においてどの制度(国民年金・厚生年金)に加入していたか判断され、保険料納付要件を満たしているのか確認されます。そのため、障害年金の請求では「初診日」が非常に重要になります。

「受診状況等証明書」や「受診状況等証明書が添付できない申立書」は、大腿骨骨頭壊死となった原因となる傷病よって最初に病院に行った日を証明するための書類です。

受診状況等証明書

初診から請求時まで同一の医療機関に通院している場合は「受診状況等証明書」は必要ありません。

初診の医療機関と請求時に通院している医療機関が異なる場合に必要な書類になります。

受診状況等証明書が添付できない申立書

カルテの保存期限が5年となっているため、初診日が5年以上前にある場合は、医療機関へ「受診状況等証明書」を依頼しても記入してもらえない場合があります。

初診の医療機関でカルテが破棄されていた場合には、「受診状況等証明書」は取得できません。そのような場合には、転院した先の医療機関にカルテが保管されているかを照会します。

そこにもカルテがなかった場合には、次の転院先へと順次確認していきます。

最終的にカルテが残っている医療機関で「受診状況等証明書」を書いてもらいます。

カルテがなかった医療機関については、ご自分で「受診状況等証明書が添付できない申立書」を用意します。

受診状況等申立書が添付できない申立書で初診日が分かりますか?

初診日分かりますか

受診状況等証明書が添付できない申立書をご自分で用意した場合、その医療機関を受診していたことが分かる客観的な参考資料、例えば、お薬手帳や診察券、保険調剤明細書などを探し、「受診状況等証明書を添付できない申立書」と一緒に提出します。

障害年金の審査をする者が、「参考資料」を見て、「この時期に」「この症状で」「医療機関を受診していたんだ」と納得してもらえるかをご自分で考えてみてください。

参考資料が何も用意されていない場合、「初診日」が認められることはほとんどありませんので注意してください。

障害年金の請求で必要な書類(診断書)

障害年金で使用する診断書は、「診断書(肢体の障害用)」になります。

診断書表面⑬人工骨頭・人工関節の装着の状態に記入漏れがないか確認しましょう。

3級以上の障害等級に該当する場合には、診断書裏面⑯の関節可動域及び筋力も重要になります。

 

障害年金の請求で必要な書類(病歴・就労状況等申立書)

初診日の証明ができ、症状が正しく反映された診断書を取得した後は、「病歴・就労状況等申立書」を記入します。

発病時から現在までの経過を整理し、年月順に記入していきます。

これには通院期間や入院期間、医師から指示された事項や就労状況や日常生活状況、受診していなかった期間はなぜ受診をしなかったのかなどを具体的に記入していきます。

診断書は現在の病状を表すもので、病歴・就労状況等申立書はこれまでの病状の経過を表すものと言えますので、丁寧に記載していきましょう。

>>病歴・就労状況等申立書の記入方法はこちらをご覧ください。

大腿骨骨頭壊死で障害年金をサポートした事例集

当事務所が担当させていただいた案件を一部ご紹介いたします。

>>大腿骨骨頭壊死の方の障害年金事例集

ご不安な方は障害年金の専門家へ相談しましょう

実際に障害年金を請求する際には、障害年金に関する知識を抑えた上で、年金事務所へ足を運び煩雑な処理を正しい手順で進めていく必要があります。障害年金は複雑で一般の方には難しい点も多々あります。おそらく、一生に一度しかない手続きを、何度も年金事務所や病院に足を運び、初診日を証明するための書類や診断書の内容に間違いがないかなどを確認していくのは大変だと思います。最初の請求に失敗すると審査請求等で決定が覆される可能性はわずかです。

不安や分からないことがある場合は、障害年金を扱っている専門家(社会保険労務士)に相談しましょう。

かなみ事務所(川西市)は、兵庫・大阪での障害年金の請求をサポートいたします

対象地域は大阪・兵庫(詳細はこのページ下の対応地域をご覧ください)で、無料相談や出張相談を承っております。その他の地域でも対応が可能な場合もございますので、お気軽にご利用ください。

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